
不登校や対人関係に悩む若者に居場所を提供しようと、三浦聖書教会(三浦市初声町三戸)が今年から開いた「居場所カフェ三浦」が効果を発揮し始めている。礼拝堂のスペースを週に3日開放し、地域の憩いの場としても機能している空間。利用者からは「人見知りしなくなった」との声が寄せられるようになった。
カフェ開き好評
「ここは年齢も性別も関係なく、自分を受け入れてもらえる。皆と話して自立に向けたきっかけをつくりたい」。カフェを週に2回訪れるという市内在住の男性(25)は話す。
利用者はカフェで音楽を聴いたり、利用者同士で話したりと、思い思いに過ごす。口コミで広がり、今では若者のほか、近所の主婦や高齢者ら月に100人近くが訪れてくる。
運営の中心となっている牧師の田辺直人さん(50)は、かつて薬物中毒の若者らを支援する施設に関わっていた。施設が2年前の3月に閉鎖されたため、受け皿をつくろうと今年1月にカフェを開いた。「中世以降、教会は福祉や教育を担うところでもあり、居場所の提供は本来の役割」
地域憩いの場にも
開設して4カ月。若者からは「学校に通うことができるようになった」などの声が届くようになってきたという。「話を聴くだけで問題の半分は解決する印象」と話す田辺さんだが、ヨーロッパに比べて居場所を提供する教会が日本ではまだ少ないという。「今後は宿泊設備を整えるなど生活のサポートもしていきたい」と話している。
カフェは毎週火、木、土の午後1時半から同5時半までオープン。問い合わせは、同教会電話046(889)3414。