世界フェアトレード月間(5月)に合わせ、公正な貿易の仕組みを学ぶ講演会が7日、川崎市高津区の市生活文化会館「てくのかわさき」で開かれた。活動に携わるボランティアや学生ら約20人が参加し、持続可能な社会の実現に向けたフェアトレードの必要性や課題を語り合った。
インドを中心に、現地で技術支援を行いながらフェアトレードを推進している国際NGO団体「チームピースチャレンジャー」の川崎支部が企画。国内外の社会問題をつなぐ団体を設立して活動している鈴木洋一さん(30)=葉山町=が講演した。
フェアトレードは、発展途上国の原料や製品を適正価格で継続的に購入することで、生産者や労働者の生活改善を目指す貿易の仕組み。鈴木さんは「多くが先進国の労働者が生活できる価格に設定されているため、途上国にしわ寄せがいく。フェアトレードにすると価格が上がり、労働組合の賃金アップ運動と一緒に行われることもある」と解説。価格だけでなく、自然環境への配慮や児童労働の禁止などフェアトレードの認証基準のポイントも説明した。
各国で取り組まれている活動として、食堂のコーヒーや紅茶をフェアトレード製品に変える大学や、まち全体で推進するフェアトレードタウンなどの事例も紹介。「お金がない人でも、フェアトレードが良い取り組みだと思えないと社会は変わらない。多くの人を巻き込み、概念を広げていくことが大切」と訴えた。