鎌倉市内に民間による学童保育施設がオープンした。午後9時までの延長利用や食事の提供など、民間ならではの柔軟なサービスが特徴。自然に囲まれた立地で、子どもたちは放課後を伸び伸びと過ごしている。
学童保育「晴れ間」(同市大町)は国の放課後児童健全育成事業の実施主体として、市の基準に沿った初の民間施設。市内で飲食店を営む石井宏和さん(36)が設立した。
店で働く優秀な女性スタッフが、子育てを理由に働きたくても長時間働けない姿を見てきた。「安心して子どもを預けられる場所があればいいのに」。そう思っていたとき、高齢者のグループホームだった物件を見つけた。自然に囲まれた土地にほれ込み、自費で改装した。
民間ならではのサービスが売り。午後9時までの延長は無料。学校や自宅まで送迎し、申し込めば昼食や夕食の提供も受けられる。
スタッフは、石井さんを含めて学童指導員経験者や保育士など4人。施設の周辺でタケノコ掘りや里山遊びもでき、オープンから約1カ月で、利用者は15人に増えた。
市青少年課によると、市の学童保育施設「子どもの家」は現在16カ所。利用時間は最長午後7時までで、送迎や食事の提供はない。同課は「市の施設だけでは満たしきれないニーズを民間が担ってくれるのはありがたい」と期待を寄せる。
石井さんは「地域のみんなで子育てできるような拠点になりたい」と意気込む。子どもが利用しない午前中、市民グループなどにスペースを貸し出すことも考えている。
定員は市内の児童40人。週6日利用は月額3万5800円、週3日は同1万9800円。問い合わせは、晴れ間電話0467(23)6577。