相州藤澤凧(たこ)保存会による凧揚げ大会が5日まで、藤沢市立石の境川沿いの水田で行われている。会員が手作りした3メートル四方の大凧などが用意され、子どもたちの健やかな成長を願って大空へ揚げられた。
40年以上続く大会で、端午の節句に合わせて毎年5月3~5日に開催。男の子の誕生を祝って凧を揚げる藤沢の農村地域の風習を伝承している。
凧は地元の山林から切り出した竹と農業用シート、麻糸を主な素材に会員たちが手作りしている。地元の住民が子どもや孫の初節句のために、名前入りの凧の制作を依頼するケースもあるという。
力仕事の大凧の引き揚げ作業は、会員10人がかりで実施。合図と共に大凧を離すと最初こそ暴れ馬のように左右に大きく揺れ動いたが、会員が必死に糸を引っ張って制御すると次第に安定し、南風に乗って高度を上げていった。
5日も風の様子を見ながら午前中に揚げ始め、日没まで行われる。