横浜市戸塚区の市民団体「東俣野凧(たこ)の会」が男の子の誕生を祝う相模凧を完成させた。境川周辺の田んぼで5月3日から5日まで、20近い大小の凧とともに揚げる。
同会メンバーが2月から4月下旬にかけて制作にあたり、武者絵が描かれた7尺(約210センチ)四方の凧を作り上げた。仕上げとなったのは、凧の揚がり具合を調整するための糸目を付ける作業。会長の石井教朗さん(66)は「骨の太さと糸目の場所を決める作業が一番難しい」と話す。試し揚げは成功した。
同地域では男の子が誕生すると、生まれた男の子の名前と家紋を記した凧を作り、端午の節句に揚げる風習があった。昔は大きな凧はなかったが、隣接する藤沢市内に問屋街があり、店が宣伝で揚げた大凧が伝わったという。廃れていた凧揚げの風習を復活させようと、20年ほど前に同会が結成された。
今では骨部分に用いるマダケが周辺にないため、平塚市内まで採りに行く。揚げる場所がなくなった藤沢市内の2団体も一緒に揚げる。石井さんは「どこも後継者不足だけど、いろいろな凧が舞う光景は壮観だよ」という。問い合わせは、石井さん電話090(7704)0757。