
最後の現役「青ガエル」が引退だというので、会ってきた。ただし、熊本はちょっと遠いので、先に引退していた渋谷駅ハチ公前の青ガエルに。
いわずと知れた東急5000系。熊本電気鉄道で最後まで走っていた車両が2月で引退した。1両で上熊本から北熊本まで3.4キロの往復は、東横線をさっそうと走った姿とは一転して、のどかな風景だった。
渋谷駅の青ガエルは、トップナンバーの「デハ5001」。長野県の上田交通に在籍していたが、引退後は東急に里帰り。車体後部をカットするなどして、2006年から展示されている。先頭側にはかつてのままの「渋谷↔桜木町」の表示。
入ってみると、ロングシートの座席で休む買い物客がいる一方、カウンター内の女性が滑らかな英語で、外国人の応対をする姿。渋谷区観光協会の案内所になっているのだ。米国の旅行サイトでも紹介されて人気が上がり、「航空会社の人などリピーターも多い」と協会職員。
ここで知り合った観光客同士が情報交換する姿も目立つ。最近、訪ねてくるお客が増えたという。熊本の青ガエル引退に加え「渋谷駅周辺の再開発で、ハチ公ともどもどうなるか、関心が高まっているようです」。うーん、できれば渋谷にずっといて欲しいなあ。(a)