相原田ノ上遺跡や津久井城跡など市内7遺跡の発掘調査報告会「さがみはら発掘最新事情」が17日、相模原市中央区の市立博物館で行われた。各担当者が図面や写真を示しながら、遺構の規模や広がりについて解説。約90人が資料を見ながら熱心に耳を傾けた。
中央大による緑区の大日野原(おびのっぱら)遺跡調査では、石器に付着したでんぷん粒の検出や、土器にこびりついたお焦げの成分を分析し、陸の植物のものと判明したことを紹介。木の実や山芋などを石器ですりつぶし、土器で煮炊きするなど、当時の人々の暮らしぶりを、想像でなく事実として確認していく過程が示された。
面積や出土品数などからするといずれも小規模な発掘だが、「小さな調査の積み重ねが、各時代の住居や集落の分布など、相模原の歴史を知る重要なデータとなる」と、文化財保護課の河本雅人さん。
2010年度から発掘調査を速報する目的で開催しており、今回は15年度に行われた学術・保存目的の発掘3件と、共同住宅建設や宅地造成に伴う調査4件(08~13年)を紹介。時代区分は、旧石器、縄文から奈良、平安、中世に至るまで。報告された遺跡は5月8日まで、特別展示室で紹介している。月曜と5月6日は休館。