
三浦半島最南端の観光地・城ケ島(三浦市)で7月1日、島内6カ所の公共駐車場を1日何回も定額利用できる「ワンデーパス」が導入される。新たな観光の核づくり事業の対象地域に認定している県の主導で、マイカーで移動しやすい交通環境を整えて観光客の回遊性アップを図る考えだ。
城ケ島は、東側に岩礁の名勝「馬の背洞門」や県立公園、西側に灯台や釣り堀などの観光スポットが点在。散策路を利用すれば東西を片道40分ほどで行き来できるが、往復に要する時間などを考慮して目的地に近い駐車場を利用するケースが多いとされる。
駐車場は東側に2カ所、西側に4カ所あるが、管理者や料金体系がそれぞれ異なるため、利用する度に料金を支払わなければならないのが課題だった。城ケ島公園管理事務所には、来園者から「駐車料金が高すぎる」といった声が寄せられたこともあったという。
こうした現状を改善し観光客の利便性向上を図ろうと、県は2014年11月、ワンデーパス導入に向けて社会実験(普通車400円)を実施。駐車場利用者の8割近くがワンデーパスを購入、約3割が東西両方の駐車場を利用した結果を踏まえ、各駐車場管理者らと協議を重ねていた。
新たに導入するパスの料金は、普通車450円、二輪車100円、大型車千円。無料の城ケ島公園第2駐車場は有料化され、一部駐車場では短時間料金も適用される。
同公園は「島全体をゆっくりと楽しんでもらえる」とパスの導入に期待。県横須賀三浦地域県政総合センターは「交通環境の整備で、観光の核づくり構想を後押ししたい」としている。