
三崎漁港の高度衛生管理化に向け、三浦市は2016年度、冷凍マグロ用低温卸売場の新設工事に着手する。既存の卸売場や市場冷蔵庫に隣接し、現在は漁港関係者の駐車場になっているスペース(約3千平方メートル)に、外気を遮断して15度程度の低温に室内を保つ閉鎖型施設を整え、17年度からの供用開始を目指す。鮮度保持や衛生管理の対策を一層図り、安全性を求める消費者ニーズに応える。
三崎漁港は、水産振興のために特に重要と位置づけられた全国13カ所の特定第3種漁港の一つ。国が策定した高度衛生管理計画に基づき、市は15年度から低温卸売場の設計に入っている。
卸売場では現在、マイナス60度に冷凍されたマグロを並べ、入札取引されている。ただ既存の施設は外気が入る開放型で、沿岸の活魚・鮮魚取引も同じ施設内で行われるため、温度管理は難しい状況にある。
市は16年度市場事業特別会計当初予算に、市場高度衛生管理化対策事業として約11億6千万円を計上した。うち3分の2は国からの補助金が充てられる。市は「安全、安心な水産物を消費者に届けるために必要な施策」(市場管理事務所)としている。
低温卸売場の完成後、既存卸売場の空いたスペースは、出荷に向けた1次加工場所として活用する。既存卸売場も、16年度に設計し改修を進める。卸売場から岸壁に向けて突き出すようにひさしを整備し、沿岸物の鮮魚を船から搬入する際、風雨などを避けられるようにする。