
さまざまな事情で義務教育を修了していない人が通う「夜間中学」をテーマにしたドキュメンタリー映画の上映と講演会が2月4日、川崎市川崎区の東海道かわさき宿交流館で開かれる。県内の夜間中学は横浜と川崎に2校あるが、主催団体は「国や県で拡充に向けた動きが広まる一方、夜間中学を知らない人はまだ多い。増設の必要性を考えてもらいたい」と来場を呼び掛けている。
上映する映画「こんばんは」(2003年)は、東京都墨田区立文花中学の夜間学級が舞台。病気や貧困で学校に通えなかった高齢者や、日本語が分からない在日外国人、不登校の若者らが交流しながら学ぶ姿を映している。
企画したのは、夜間中学の充実と増設を目指す「神奈川・横浜の夜間中学を考える会」。県内では横浜市立蒔田中(同市南区)と川崎市立西中原中(同市中原区)に設置されているが、両校とも対象は市内在住・在勤者に限られる。同会は「横浜と川崎に通えないため、県央地域には都内の夜間中学に通っている人もいる」と課題を指摘する。
昨年12月には、不登校の児童生徒を国や自治体が支援することを初めて明記した教育機会確保法が成立。夜間中学への就学機会の提供も盛り込まれた。同4月からは県教育委員会と市町村教委が中学校夜間学級連絡協議会を設け、横浜、川崎以外の市町村での設置も含めた夜間中学のあり方を検討している。イベントでは、文部科学省の常盤木祐一教育制度改革室長が同法や夜間中学に関する施策について講演する。
午後2時から同5時まで。入場無料。問い合わせは神奈川・横浜の夜間中学を考える会代表の三階泰子さん電話045(571)1775。