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「近迫」イノシシ対策(3)住民総動員、知恵絞る

話題 | 神奈川新聞 | 2017年1月21日(土) 11:00

くくりわなを準備する石井隊長=2016年7月、葉山町
くくりわなを準備する石井隊長=2016年7月、葉山町

 「昨夏から5頭を捕獲した。100キロを超えるのもいる」。葉山町の石井喜三郎さん(63)は、取り組んできたイノシシ対策を振り返る。

 3年ほど前から被害が確認されている町は昨年7月、地元農家ら20人を委嘱して「鳥獣被害対策実施隊」を結成。国の交付金を受けて捕獲用のくくりわなや箱わなを購入し、駆除に当たっている。石井さんは隊長として、わなの監視を続けている一人だ。

 少し前はヤマイモ、今はタケノコを食い荒らしているとみて、竹やぶを重点的に巡回している。主に畑や家庭菜園が被害を受けており、農作物が掘り起こして食べられる被害に加え、畑を歩き回って苗が踏まれるケースも多いという。

 町内には30頭ほどが生息しているとされるが、役場近くに出没したとの情報もあり、「もっと増えている」というのが石井さんの実感だ。ただ、捕獲は思うように進んでいないのが実情で、有効策を見いだせずにいる徒労感も口にする。

 「数多くわなを掛ければいいってもんじゃない。人間のにおいとかは嫌うらしいけど、慣れちゃうみたい」

 イノシシ被害に苦慮する自治体は、住民の力も総動員して対策に乗り出す。だが、繁殖力が強い野生動物を相手にするのは容易ではなく、取り組みの継続に向けて知恵を絞る。昨年度の被害額が小田原市に次いで深刻な山北町も、昨年4月に新たな手を打ち出した。

 鳥獣の捕獲報奨金制度。イノシシとシカの2種類を捕獲すると、1頭当たり3千円の報奨金を町が支払う仕組みだ。被害が増加する一方、地元の猟友会メンバーは約40人と横ばいの状況で新対策に望みを託す。

 実際、報奨金の対象とした昨年7月以降は269頭(12月末現在)を捕獲しており、町が「想定外の数」とするほど飛躍的に伸びた。シカを含めれば計624頭に上り、当初想定(300頭)の2倍を上回った。

 ただ、町担当者の胸中は複雑だ。「捕獲数が多ければ、それだけ個体が存在していることになる。多いか少ないか、どちらが良いのか分からない」。本年度の捕獲数は増えたが被害も前年度を上回っており、効果は未知数だからだ。

 さらに、捕獲数の増加に比例して出費もかさむ。報奨金の支払総額187万2千円に加え、追い払い用の花火の購入費や広域防護柵の工事費などもあり、本年度の鳥獣害対策事業費は追加補正も合わせて計940万円に膨らんだ。「数が増えれば、それだけ町財政への負担が重くなる」

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