太平洋戦争後、世界各国のコインなどを鋳つぶして作った「平和の鐘」を、ニューヨークの国連本部に寄贈した元宇和島市長の故中川千代治さんの活動を、絵本「コインでつなぐ平和の鐘」に著した二宮町内在住の絵本作家でイラストレーターの相沢るつ子さん(69)がこのほど、村田邦子町長に今月からの国連本部での販売開始を報告した。
絵本は戦時中に各寺院から供出された鐘を、戦争後に集めた軍刀や各国のコインとともに鋳造し、国連に受理されるまでの話を日本語と英語で併記し、簡潔な絵で紹介している。
町役場で相沢さんは「絵は共通言語。記憶は薄れていくので、子どもやアメリカ人でも分かる形にしたかった」と話した。村田町長は「活字になじんでいない世代にも読みやすい。来年の課題図書にしたい」と前向きだった。