
子どもを犯罪から守る「駆け込み寺」を増やそうと、青葉区歯科医師会が新たな取り組み「こども110番のはいしゃさん」事業を展開している。歯科医師会が独自に子どもたちを受け入れる防犯対策を講じているケースは県内初。青葉署は「一般家庭と違い、営業中の歯科医院には必ず誰かがいて子どもを助けられる」と、効果を期待している。
同事業は、身の危険を感じた子どもが助けを求めて駆け込んできた場合、医師やスタッフらはけがの有無を確認し、不審者の特徴や逃走方法などを聞き取って警察に通報する仕組み。青葉署が1月、区歯科医師会所属の全158医院に「活動マニュアル」を配布し、ノウハウを伝えた。
同区の歯科医院は、住宅街で自宅を兼ねているケースが多いのが特徴だ。各会員の医院には目印のステッカーを掲示しており、同会の藤尾昭会長(66)は「通学路に歯科医院が多くあり、登下校中の子どもの目に留まりやすい」と話している。
美しが丘西3丁目の「マームデンタルクリニック」も、小中学校の通学路に面している。付近では子どもへの不審な声掛けやわいせつ被害が散見されており、院長の服部優子さん(43)は「少しでも不安に思うことがあれば、いつでも駆け込んできてほしい」と呼び掛けている。
近くに住む小学2年の女子児童(8)は「歯医者さんが守ってくれるなら安心」と話していた。