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障害者もボウリング 投球補助器、開発の挑戦

話題 | 神奈川新聞 | 2016年3月2日(水) 02:00

 障害の有無や年齢にかかわらず誰もがボウリングを楽しめる投球補助器の開発に、福祉機器のエンジニアと理学療法士の若いコンビが夢中になっている。きっかけは3年前、車いすの少女が明かした「ボウリングを気軽に楽しみたい」というひと言。夢をかなえるために、町工場の経営者が試作に挑み、障害者がモニター役を買って出るなど共感の輪が広がっている。

 開発を手掛けるのは「INU Project(イヌ・プロジェクト)」。代表でエンジニアの松田薫さん(38)=東京都大田区=と、理学療法士の井手麻衣子さん(31)=横浜市栄区=が2013年に設立した。

 一部のボウリング場にある投球補助スロープは据え置き型で、投球角度を変えるには補助が必要。車いす利用者には台の上に置いたボールに手が届きにくい構造となっていた。

 少女の願いを聞いた松田さんたちが開発を目指すのは、車いすに簡単に取り付けられる機器。車いすの操作で狙いを定め、ボールを転がす。車輪が付いて動かしやすい。親しまれるよう「INUCOLO(イヌコロ)」と愛称を付けた。

 「手でボールを押し出すことが困難な人も、誰もが同じルールで一緒に遊べます」と松田さん。これまで自ら設計し試作を続けてきたが、同様の機器を開発した実績がある西川精機製作所(東京都江戸川区)の全面協力を受け、アルミ製のパイプを組み合わせた試作5号機が誕生した。


「INUCOLO」試作5号機でボウリングを一緒に楽しむ(左から)松田さん、井手さんら=横浜市港北区
「INUCOLO」試作5号機でボウリングを一緒に楽しむ(左から)松田さん、井手さんら=横浜市港北区

誰もが気軽に楽しんで



 2月26日には、横浜市港北区のボウリング場で重度の身体障害者3人が試作機を使い、初のプレーを楽しんだ。5号機は利用者の好みに応じて高さを調節できる。ボールを楽々と転がすことができ、スペアやストライクが出ると満面の笑みで喜んだ。

 松田さんは福祉機器開発・販売を手掛けるアシスト(大阪府河内長野市)の東京営業所に勤務。井手さんは、はる訪問看護ステーション(横浜市保土ケ谷区)、横浜療育医療センター(同市旭区)に務める。同センターは試作5号機を発注し、利用者が試用を行うことで開発を支えてきた。

 「イヌコロは障害者だけのものではなく、みんなの遊びにしたい」。少女の夢は2人の夢にもなった。資金調達とともに人のつながりを得られるクラウドファンディング「zenmono(ゼンモノ)」(https://zenmono.jp/projects/87)を活用。4月28日までに、開発協力者と費用60万円を集める目標を立てている。

 INUは「I Need You(U)」の頭文字。松田さんたちは力を込める。「私たちも障害がある人たちを必要としている。障害者の願いに耳を傾け、夢を実現することで誰もが暮らしやすい社会に変えていきたい」

 ボウリング大会を兼ねたプロジェクト紹介イベントが5日午後2時から、横浜市中区のmass×mass関内フューチャーセンターで開かれる。参加無料。申し込みはメール(info@inu3.jp)。

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