
小田急線本厚木駅周辺の市街地再開発の先導役となる南口地区事業が2016年度にスタートする。駅前の新たな顔になる高さ約85メートルの再開発ビルと、拡張する駅前広場を組合方式で18年度までに整備する計画で、支援のため市は16年度予算案に約16億5千万円を計上した。同時に同駅東側の計画づくりに着手、停滞していた市の中心市街地の整備が動きだす。
南口地区事業は、1996年に市が基本構想を策定。2005年に民間権利者による準備組合が発足したが、資材高騰などで採算性が悪化して頓挫。事業化が見直され、15年5月に都市計画決定された。
計画によると、事業地は約0・8ヘクタール、再開発ビルは地下2階地上22階、延べ床面積約2万3200平方メートル。1~3階は店舗・事務所、4~22階が住宅で約150戸を配置。地下1階に市営の駐輪場(約600台)も整備する。
16年度は、移転補償や既存建物の撤去、整地を行い、17年度に再開発ビルの本体工事に入る。
隣接する駅前広場は現行の約3400平方メートルから約4200平方メートルに拡張。バスの乗降箇所を3から4に増やし、交通結節点として機能を強化する。
総事業費は約140億円。7個人・法人で構成する準備組合は資金確保策として事業協力者制度を導入、大手の三菱地所レジデンスと協定を締結し、今年5月に正式に実施組合を設立・移行する予定。
一方、同駅東側の中町2-2地区周辺事業は新たな整備方針に基づき、16年度に核となる複合施設の基本計画案を作成。入居する中央図書館、こども未来館(仮称)の基本構想もそれぞれ策定する。
用地取得を含めて関連費用約2億2千万円を計上した。
また、近年多発しているゲリラ豪雨に備え、市は本厚木駅周辺の浸水対策を拡充。あさひ公園(同市旭町1丁目)の地下に雨水貯留施設を整備する事業に約3億円を計上。19年度の完成予定で、1時間に65ミリの非常に激しい雨に対応できるよう都市防災の機能を高めるという。