地域の安全や悪疫退散を願い、長さ9メートルの大数珠を全身を使って勢いよく回す、県指定無形民俗文化財の「世附(よづく)の百万遍念仏」が13日、山北町向原の能安寺道場で行われた。世附百万遍念仏保存会(石田進二会長)主催。
600年以上続くとされる伝統行事。太鼓と念仏に合わせて、水桃木で作られた302個の数珠を保存会のメンバーが次々と豪快に回すと、床に打ちつけられる音が道場内外に響いた。
休憩時間には見物客らも数珠回しを体験。平塚市から初めて訪れたという上野ノリ子さん(72)は「数珠は軽くて手触りが良かった。御利益がありそう」と満足げだった。
同念仏は14日にも午前と午後の2回行われる予定。JR御殿場線東山北駅から徒歩約5分。