
14日はバレンタインデー。横浜市内の百貨店は、連日チョコレートを求める大勢の客でにぎわっている。女性から男性に贈る従来の形から、普段は食べられない国内外の逸品が一堂に集まる「チョコレートの祭典」として変容を遂げているというバレンタイン。各店とも幅広いニーズに応えようと、多彩な商品やイベントを展開してアピールに努めている。
ことし開店20周年を迎える京急百貨店。開店以来初めて、地下の食品催事場から7階催事場に会場を移しバレンタイン商品を販売する。昨年は55そろえたブランド数がことしは70に増加。力を入れた高額の海外パティシエの商品は一部完売になるなど好調な売れ行きという。ワインフェアやトークショーを催し、「催事場に飽きがこないようイベントを充実させた」と担当者は話す。
「バレンタインは『感謝を贈る日』になってきている」と話すのはそごう横浜店。近年は自分用のほか、世話になった女性など、贈る対象が広がっているとの印象だという。7日までの8階催事場での売上累計は前年比4%増。「高級品やオーガニック、ユニークなものなど、多様なジャンルのチョコレートをそろえているのが要因では」と予想する。
高島屋横浜店の担当者も、やはりバレンタインの目的と用途が多様化していることを踏まえ、多彩な商品を取りそろえる。目玉の一つが、女性同士で贈り合う需要の伸びを受けて企画した少女漫画「ガラスの仮面」とのコラボレーション。物語の中で重要な意味を持つ紫のバラをモチーフにした商品などが人気だ。同店では14日以降も需要があると見込み、15日まで8階特設会場でバレンタイン商品を販売する。
各店の売り上げ目標は京急が前年比10%増、そごうが4%増、高島屋が10・7%増としている。