海老名駅近傍の市役所周辺地区(海老名市中央、勝瀬)の都市開発が2017年度からいよいよ始動する。昨年11月、県の第7回線引き見直しで住居系の一般保留区域に都市計画決定されたことを受けて、土地利用の事業化検討がスタートする。同駅周辺では東口、西口、駅間に続く最後のまちづくりが具体化する。
対象の同地区は約39・4ヘクタール。現在は建物建設などの開発が抑制される市街化調整区域で、農地、駐車場利用が目立っている。一般保留区域の設定は市街地整備の実施が確実な段階になるまで、市街化区域編入を待つ事前の手続きで、開発候補地の扱いになった。
市によると、土地利用の内容は住居系で、想定される人口枠は3500人。地権者の合意形成が必要になることなどから一括事業化は難しいため、17年度以降、地区内をゾーン分けして計画を順次策定。土地区画整理事業による基盤整備・用地売却や民間の大型開発など、事業手法を検討していく。
同地区には既に市役所、警察署、消防署、民間病院など公共公益施設が立地する上、同駅から1キロ圏内で交通利便性も高い。市では力を入れている移住・定住促進の受け皿となる住宅地整備によるコンパクトシティー形成も想定している。
隣接する駅東口地区にある商業施設には改修・拡張の計画がある。15年秋に西口地区の土地区画整理事業が終了して大型商業施設が進出。民間ランキングでは人気の街に急上昇、駅周辺のマンションには供給不足も見られる。
市都市計画課は「今後、事業計画が具体化した段階で改めて市街化区域編入の手続きが必要になる。17年度の当初予算案に調査費を新規計上して検討作業に入りたい」と説明している。風物詩になっている市役所周辺の田園風景も大きく変わることになりそうだ。