
横浜市立本郷台小学校(同市栄区)2年生が考案した栄区制30周年記念パンが9日、区内の「パンとカレーの店ぷらさんぬ」で発売された。人と人が手をつなぐ様子をデザインしたもので、その名も「つながるにこにこパン」。販売初日は子どもたちもパン作りや接客に挑戦、やりがいに満ちた表情を見せていた。
同店は、NPO法人「みちくさみち」が運営する精神障害者の雇用の場「かつら工房・サンライズ」で作ったパンを販売。かつて同小児童が、区のマスコット「タッチーくん」をモチーフにしたパンを考案、発売した経緯もあり、今回のコラボが実現したという。
2年3組の児童は、自分たちの街について学ぶことからスタート。かつら工房・サンライズの大平由子施設長や、同区出身のグラフィックデザイナー高橋寛行さんのアドバイスを受けながらパンの味やデザイン、名前を決め、PR用のポスターも作成した。
完成したパンは、外側はメロンパンの生地で、手をつなぐ2人とリボンをデザイン。中にカスタードクリームが入っている。区制30周年のテーマの一つ「つながり」を表現した。価格は1個160円。
この日、児童らは開店に先立ちパン作りに挑戦。店頭ではやや緊張した面持ちで、「いらっしゃいませ」と客に声を掛けていた。
女子児童の1人は「パンが売れていってうれしかった」と笑顔。担任の坂本奈緒教諭は「学校では学べないことをたくさん学んだと思う。街に愛着を持ってもらえたら」、来店した尾仲富士夫区長は「将来を担う子どもたちの思い出に残るとともに、パンに込められた願いの通り、皆がつながる温かい区になれば」と話していた。
同小児童はJR本郷台駅前広場で13日に開催されるイベント「フラワーバレンタイン」でもパンを販売予定。問い合わせは、同店電話045(382)9673。