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女性消防士が活躍 副署長・レスキュー隊員誕生 川崎市

話題 | 神奈川新聞 | 2017年1月16日(月) 11:58

トレーニングを積み重ね、機材を使いこなすレスキュー隊の古賀さん
トレーニングを積み重ね、機材を使いこなすレスキュー隊の古賀さん

 川崎市消防局で、女性消防士が活躍の場を広げている。昨年は初の女性副署長が就任し、全国の政令市で初となる女性の特別救助(レスキュー)隊員も誕生した。同局は「現場で女性消防士のニーズが高い。今後も増やしていきたい」と意欲をみせている。

 同局は1969年、全国で初めて女性消防吏員を採用した。85年に入局し、昨年4月に川崎消防署の副署長に就任した熊谷智子さん(51)もその一人。消防学校で半年間訓練を積み、各署で予防業務を担当してきた。育児休業をとって2人の子どもを育てながら仕事を続けてきた。

 同局の消防吏員は1461人(昨年4月現在)で、うち女性は56人(3・8%)。同局は2026年度までに6%に引き上げることを目指している。

 熊谷副署長は「今は予防業務だけでなく、現場で人の命を助けたいと希望する女性が多い。女性消防士を増やすためには職域の拡大も必要」と強調する。94年から女性の当直勤務も可能となり、現在同局では救急隊に11人、消防隊に5人配属している。「さまざまな部署で女性が活躍し、結婚や出産後も続けられる環境にしたい。当直経験のある女性が管理職になれば現場でも指揮が執れる」。自身も地域の防災活動などに積極的に顔を出し、女性消防士の存在をPRしている。

 古賀彩華さん(28)は、高校時代に車の横転事故で友人を亡くし「何もできなかったのが悔しくて、人を助ける仕事がしたいと思った」。消防隊や救急隊を経験しながら訓練を重ね、少しも登れなかったロープが約7メートル登れるようになった。厳しい体力試験もクリアし、レスキュー隊の資格を取得。昨春、多摩消防署の同隊に配属された。

 駆け付けた現場で、女性隊員の必要性を感じることが多い。高齢女性が入浴中に動けなくなったケースでは、先頭で入って女性に上着を掛けて落ち着かせた。

 古賀さんは「訓練は厳しいが、諦めなければ女性でもなれる。消防はまだまだ男性社会だが、女性も違和感なく働けるよう頑張っていきたい」と話す。


「女性もキャリアアップができることを示したい」と話す熊谷副署長
「女性もキャリアアップができることを示したい」と話す熊谷副署長
 
 

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