1905年の日露戦争・日本海海戦で旗艦を務め、現在は三笠公園(横須賀市稲岡町)に保存されている記念艦「三笠」で1日から正月の特別企画が開かれている。県外、海外からも観光客が訪れ、にぎわっている。3日まで。
艦内にある「パワースポット」を巡る恒例のイベント。甲板から約20メートルの高さにある、東郷平八郎海軍大将が指揮した「最上艦橋」に祭壇が飾られ、当時艦内で必勝祈願をしていた「三笠神社」の神棚も紹介。今回はさらに、昨年中に三笠で使っていた大将旗、軍艦旗、Z旗がそれぞれ、来艦した応募者の中から抽選でプレゼントされる。
昨年は三が日で約2千人を集めた。今年も県外は熊本県や山形県など、海外はシンガポールや台湾からの客が訪れている。
昨年12月、14年度に比べ約1カ月早く来艦者20万人を達成。これまではNHKドラマ「坂の上の雲」の放映や歴史ブームが追い風となっていたが、三笠保存会の中塚久雄さんは「現在の諸外国との領土問題の発端は明治時代までさかのぼる。そうした視点で近現代史に興味を持つ人も多く、三笠は生き字引でもある」と変化を感じている。
1926(大正15)年に記念艦として保存されてから90周年を迎える。中塚さんは「興味のある人に、より深い知識を提供でき、期待に応えられる展示にしていきたい」と話している。