大みそかに竹灯籠で境内を彩る「萬燈(まんとう)除夜の鐘」の準備が、横浜市鶴見区の徳雄山建功寺で追い込みを迎えている。多摩美術大の学生が手掛け、15年を超える恒例のイベント。
建功寺の枡野俊明住職(62)は庭園デザイナーでもあり、同大教授も務める。イベントは電飾に頼らない、日本の伝統的な光の美しさを伝えようと、教え子に呼び掛けて始まった。竹灯籠で浮かび上がる鐘や通路、光のトンネルなど、ろうそく3600個の明かりが境内を包み込む。
同大環境デザイン学科8人が担当しており、今年のテーマは「結」。リーダーの上原峻さん(21)は「人と人のつながりを光で表現することを目指した」と話す。夏から構想を練り、12月は授業の合間をみて通い詰め、31日昼も仕上げ作業に当たるという。
境内に植栽されている竹を使うなど、環境にも配慮。枡野住職は「除夜の鐘の響きを聞きながら、揺れ動くろうそくの明かりなど、日本の美を感じてもらえれば」と参拝客を迎え入れる。
入場無料。31日午後11時半から元日午前1時半ごろまで。