他にはない神奈川のニュースを!神奈川新聞 カナロコ

  1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. 旧南湖第1病舎、茅ケ崎市へ寄贈

旧南湖第1病舎、茅ケ崎市へ寄贈

話題 | 神奈川新聞 | 2015年12月25日(金) 02:00

寄贈された旧南湖院の第1病舎(茅ケ崎市提供)
寄贈された旧南湖院の第1病舎(茅ケ崎市提供)

 1899年(明治32年)に設立され、東洋一の結核療養施設とうたわれた「旧南湖院」の第1病舎と土地が、茅ケ崎市に寄贈された。県内でも数少ない貴重な明治遺構の一つで、市は国の有形文化財として登録を目指すとしている。

 旧南湖院は入院患者3人でスタート。そのうちの1人は勝海舟の夫人で、後に国木田独歩らも療養した。1945年に海軍に接収されるまで、延べ1万5千人の入院患者と延べ7万人の外来患者が利用。接収は57年に解除され、79年には老人福祉施設として再出発し今日に至っている。

 このうち第1病舎(木造2階建て、延べ床面積230平方メートル)は中核施設として使われた病室で、設立当時から現存する唯一の建物。県文化財保護課による84年の建物調査結果には、「現存しているのは実に奇跡というべき」と記されている。

 こうした社会的価値の高い建物の保存を求め、所有者の高田準三さんはかねて市に寄贈を打診。準三さんは今年3月に亡くなったが、息子の耕太郎さんがその遺志を継ぎ、今月10日付で譲り渡した。

 市は「明治期から本市の発展に大きく貢献し、文化・歴史に大きな影響を与えた施設」と説明。今後、建物の耐震性や老朽化の具合などを調査する。調査結果を基に必要な修理を行い、可能な限り公開することを目指すとしている。

 
 

遺跡・遺構に関するその他のニュース

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング