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活況、人情の16店 巡ろうハマの原風景
「市民酒場」の案内ムック 中区の出版社が刊行

話題 | 神奈川新聞 | 2015年12月15日(火) 09:53

「横濱市民酒場グルリと」を刊行した星山さん夫妻=横浜市中区の星羊社
「横濱市民酒場グルリと」を刊行した星山さん夫妻=横浜市中区の星羊社

 昭和初期に誕生し、今も横浜の下町で営業を続けている「市民酒場」。その魅力に光を当てたムック本「横濱市民酒場グルリと」が15日に刊行される。庶民的な風情を残して地元で親しまれている店を網羅し、古写真や埋もれつつある歴史を掘り起こすことで、古き良きハマの大衆文化を鮮やかに描いている。

 出版するのは地域情報誌「はま太郎」を発行する星羊(せいよう)社(横浜市中区)。はま太郎編集部の星山健太郎さん(37)と成田希さん(31)夫妻は2013年12月の創刊号から市民酒場を特集してきた。

 市民酒場は1938年、南区睦町1丁目の「忠勇」店主が中心となって酒屋、酒場が結成した「市民酒場組合」の所属店。現在も市民酒場を掲げる店舗は市内に3軒あるとされている。

 星山さん夫妻の取材で、市民酒場の系譜を受け継ぐ店は南区を中心に中、神奈川、西区などに30軒ほどあることが分かった。

 店舗を巡る中で「できるだけ安い価格で市民にお酒を提供しよう」という店主たちの心意気に魅了された星山さん。「7月に閉店した野毛の武蔵屋も市民酒場だった。閉店が相次ぐ中、市民酒場マインドを持ちながら営業を続ける店を紹介したい」と、連載を再編集してまとめることにした。

 ムック本では市内の16店舗をあらためて取材。店内の雰囲気や跡継ぎ世代の笑顔など、希さんのイラストを交え親しみを感じてもらえるよう紹介している。

 各店舗が所蔵する写真も掲載。その中で、西区戸部町5丁目の「常盤木(ときわぎ)」からは「キリン生ビール」の看板とビア樽(だる)が店先に置かれた49年撮影の写真が見つかった。

 終戦間もない当時、三菱重工業のドックで働く人たちが店舗前に大行列を作っていた。「非加熱の生ビールがビアホール以外で飲めるのは珍しかった時代、キリンビール横浜工場から近い立地条件を生かしたのかも」と、星山さんは市民酒場の活況に目を見張る。

 写真家の森日出夫さんは常盤木の人情味あふれる店内を撮影。ハマっ子飲兵衛(のんべえ)たちもエッセーを寄せ、自らの酒場体験から愛すべき下町文化を語る。夫妻は「横浜の民衆文化の発展に貢献した市民酒場。今も残るゆかりの店を巡ってもらうきっかけにしてほしい」と話している。200ページ、1620円。
                       ◇
 星山さん夫妻のトークイベントが22日午後7時から、横浜・関内のさくらWORKSで開かれる。1ドリンクと市民酒場ゆかりの振る舞い酒付き。千円。問い合わせは、星羊社電話045(315)6416。


市民酒場「常盤木」には、当時は珍しい「キリン生ビール」の看板とビア樽(だる)が置かれていた=1949年撮影(荻原哲郎さん所蔵)
市民酒場「常盤木」には、当時は珍しい「キリン生ビール」の看板とビア樽(だる)が置かれていた=1949年撮影(荻原哲郎さん所蔵)

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