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産業化研究を紹介明大図書館29日まで
折り紙技術 最前線

話題 | 神奈川新聞 | 2015年11月13日(金) 03:00

折紙式3次元プリンターで再現した立体物など、最先端の研究成果を紹介している企画展 =明大生田図書館
折紙式3次元プリンターで再現した立体物など、最先端の研究成果を紹介している企画展 =明大生田図書館

 宇宙産業やファッション、自動車部品など多方面で活用されている「折紙工学」を紹介する企画展が、明治大生田図書館(川崎市多摩区東三田)で開かれている。世界初の折り紙ロボットや、3次元プリンターを活用した折り紙立体物など最先端の研究成果を披露している。29日まで。
 
 日本で古くから親しまれている折り紙には、小さく畳めて収納や持ち運びなどに便利な展開伸縮性や、折ることで強度が高められるといった特性がある。宇宙分野では大きなソーラーパネルなどをロケットに搭載する際、スムーズに広げられる折り畳み方を取り入れている。企画展を主催した同大先端数理科学インスティテュート(MIMS)では、そうした折り紙技術の産業化に向けた研究を行っている。

 会場には、写真画像などから展開図を作成する「折紙式3次元プリンター」で再現した、人の顔やぬいぐるみなどの立体物を展示している。MIMS所長で、同大研究・知財戦略機構の萩原一郎特任教授(69)によると、溶かした樹脂などを積み上げる積層型3Dプリンターに比べ、印刷した展開図を折って再現する折り紙式は費用が抑えられ、短時間での再現も可能という。「家庭にもある印刷用紙で、大きなものでも安く再現できる。色も付けることができ、実験などで気軽に試作品を作れる」

 世界初の自動で折れる折り紙ロボットも展示している。カメラで折り線を読み取るなどして、山折りや谷折りを区別して折る装置と、折ったものをのり付けする装置のセットで開発中だ。萩原特任教授は「折り紙の形は複雑で、作るのが難しい。機械生産が可能になれば産業化につなげられる」と話す。

 そのほか、正面衝突時に衝撃を吸収する自動車部品や、血管に通すカテーテルなどの医療機器に活用できる収縮可能な筒、洋服など、幅広い分野での応用事例を紹介している。「折り紙は日本の伝統技術だが、産業化に通じる第2世代の折り紙技術を知ってもらえれば」

 会場には折り紙帽子が作れるコーナーもある。入場無料。問い合わせは、同大MIMS事務室電話03(5343)8067。

 
 

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