1. ホーム
  2. ニュース
  3. 話題
  4. ハマの洋食文化支え 「現代の名工」福士さん、シェフで県内初

ハマの洋食文化支え 「現代の名工」福士さん、シェフで県内初

話題 | 神奈川新聞 | 2015年11月12日(木) 03:00

ペリー提督一行をもてなした本膳料理を再現した「横浜饗応の膳2009」を披露する福士さん(手前左端)=2009年撮影
ペリー提督一行をもてなした本膳料理を再現した「横浜饗応の膳2009」を披露する福士さん(手前左端)=2009年撮影

 さまざまな産業分野で卓越した技能を持つ第一人者をたたえる2015年度の「現代の名工」に、県内から10人が選ばれた。このうち、西洋料理調理人として県内で初めて選ばれた福士誠さん(66)=横浜市磯子区=は、県内調理師界の重鎮として若手シェフらをまとめ、地産地消による食文化の普及に力を注いできた。

 純白のコックコートにコック帽姿で小学校を訪れると、児童たちから歓声が上がる。「コックさん」と呼ばれた時代からシェフは子どもたちの人気者だ。

 福士さんは、横浜のシェフ仲間たちと地場食材を使った食育活動を続けている。いつも子どもたちに伝える言葉がある。

 「お母さんは君たちを妊娠していたとき、好き嫌いなく料理をしっかりと食べたはず。お母さんが取った栄養があって、君たちが生まれたんだよ」

 地元には、滋養があり旬を迎えた食材が豊富にある。その魅力を知り、おいしくいただくことが未来につながると信じる。

 シェフの全国組織「全日本司厨士(しちゅうし)協会」で関東総合地方本部の理事長を務めている。横浜では食育活動や若手シェフの育成に取り組むNPO法人「横浜ガストロノミ協議会」の創設と発展に尽力してきた。

 横浜開港150周年の09年には、ペリー提督一行をもてなした本膳(ほんぜん)料理の現代版「横浜饗応(きょうおう)の膳2009」に、横浜とフランス・リヨンを代表するシェフらと挑んだ。当時の料理を考証し、横浜で入手できる最高級の食材を使った和洋中の創作料理に取り組む若いシェフたちの精神的支柱となった。


「現代の名工」に選ばれ、表彰状を手にする福士さん
「現代の名工」に選ばれ、表彰状を手にする福士さん

 福士さんは北海道出身。21歳でシェフ兼バーテンダーとして鎌倉で働き始め、廃業した老舗ホテル「バンドホテル」(横浜市中区)、1963年創業の北欧料理レストラン「スカンディヤ」(同)で腕を磨き、伝統の味を先輩シェフから受け継いだ。

 87年からは横浜中華街のジャズライブ・レストラン「ウインドジャマー」で総料理長を務める。どのような料理にも合う「命のブイヨン」を30代から提唱し、料理の基本となるブイヨンやソースの大切さを説く一方、常に斬新さを求めて創意工夫を凝らしてきた。

 昨年亡くなった元米海軍人のオーナーから「話題になるメニューを」との提案で、500グラムのパテを使い、直径28センチ、総重量約1・3キログラムの「司令官バーガー」を作り上げた。1日限定3食で「見た目が美しく、冷めてもおいしい」とシェフ仲間からも好評だ。

 これまでに横浜市長賞、神奈川県知事賞、県民功労者表彰などを受賞している福士さん。「県内の西洋料理界を代表して選ばれたと思っている。これからも仲間たちと一緒に食育活動や、食文化の発展に取り組みたい」と話していた。

 現代の名工に選ばれたほかの9人は次の通り。

 平茂さん(製かん工)、佐々木三千男さん(金型仕上・組立工)、井武敏さん(産業用機械組立工)、内田良隆さん(民生用電子・電気機械器具組立工)、只木太郎さん(紳士服注文仕立職)、小山和雄さん(建築とび工)、柳正司さん(洋生菓子・焼き菓子製造工)、和田由紀子さん(着付師)、島村晴一さん(畳工)


「現代の名工」に選ばれ、卓越技能章を手にする福士さん=横浜市中区のウインドジャマ-
「現代の名工」に選ばれ、卓越技能章を手にする福士さん=横浜市中区のウインドジャマ-

話題に関するその他のニュース

PR
PR
PR

[[ item.field_textarea_subtitle ]][[item.title]]

アクセスランキング