南足柄市大雄町の大雄山最乗寺で24日、「さんま大祭」が開かれた。地元の商工関係者らが、東日本大震災からの復興を願い、境内で宮城県気仙沼産の300匹を炭火焼き。参拝客らが秋の味覚を楽しんだ。
市商工関係者が5年前から催しを開き、義援金を集めて被災者に送っている。曹洞宗の修行寺とあって、基本的に肉や魚は食べない。ただ、「南足柄市が被災地から漁網を受け入れたこともあり、寺も復興の役に立ちたい」(山田富三紀綱)と境内使用を特別に許可。南足柄のシンボルともいえる同寺で初の開催が実現した。
大祭では冒頭、山田紀綱らが復興成就と犠牲者の冥福を祈った後、サンマの供養を行った。その後、義援金に応じた参拝客に焼きたてのサンマを振る舞った。女性(75)は「お寺の素晴らしい雰囲気の中で、食べるのは格別。とてもおいしかった」と話していた。