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「ハラル」アイス 安心してどうぞ

話題 | 神奈川新聞 | 2015年10月18日(日) 03:00

ハラルマークの入った小野ファームのアイス=横浜市戸塚区の「横濱アイス工房」
ハラルマークの入った小野ファームのアイス=横浜市戸塚区の「横濱アイス工房」

 牧場の運営やアイスクリームの製造・販売を手掛ける小野ファーム(横浜市戸塚区)が、ハラル認証を取得したアイスの販売を始めた。豚肉、アルコールなどが禁じられているイスラム教徒が安心して食べられるよう、厳しい基準をクリアした製品にのみ与えられるもので、アイスでの認証は珍しいという。訪日外国人客の増加が見込まれる中、空港やホテルでの提供、さらには海外進出をも見据えている。

 「ハラル」は、直訳すると「許可されたもの」。イスラム法で許されている食品などを指し、それ以外の「非ハラル」とは明確に区分されている。

 近年、訪日外国人客は増加基調。日本政府観光局によると、2014年は過去最多の1341万人に達した。イスラム教徒の多いインドネシア(前年比16・0%増)、マレーシア(41・3%増)といった国の旅行者も増えており、経済成長を背景に、一層の拡大が予想されている。ただ、食品も含め、日本では受け入れ環境の整備がまだ十分ではないのが実情だ。

 同社は横浜市戸塚区と泉区に直営のアイス専門店を構えるほか、羽田空港国内線ターミナルや新江ノ島水族館などのレジャー施設でも販売。一昨年あたりにハラル認証を思い立ち、準備を始めた。「思っていた以上に大変でしたね」。小野利和代表は苦笑いする。

 認証にあたり、原料一つ一つの成分分析表を入手、非ハラルが使われていないものを選んだ。製造工程にも厳格な基準があるが、特に生クリームは、チーズなど他の製品も同じ製造ラインで作っているメーカーが多く、単独の製造ライン以外は認めないとする基準にかなう仕入れ先を確保するのに時間がかかったという。

 数回にわたる書類提出や監査を経て6月に日本アジアハラール協会(千葉市)から認証を取得した。同協会が認証を与えている企業は全国80社ほどで、「神奈川でアイスの認証を得た事例は初めて」という。

 ハラルマークの入った同社のアイスは現在、ミルク、抹茶など7種類。小野代表は訪日外国人客の増加を見据え、量産化を図るため新工場の建設を模索中だ。「認証の難しさや採算性の問題などがあり、大手は手が出しにくい分野。だからこそ、商機はある」。羽田のほか、成田空港、ホテルなど販路拡大が期待できるとし、将来的には海外にも輸出したいと夢を膨らませる。


「プラ」の文字の右にあるのがハラルマーク
「プラ」の文字の右にあるのがハラルマーク
 
 

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