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ブーランジェリー 14区 (横浜・妙蓮寺)
思い立ったらパン日和〈156〉 ぜいたく味の特選メロンパン

話題 | 神奈川新聞 | 2015年9月27日(日) 12:00

 赤いテントが目印。フランスの街角にあるような店構えは、オーナーシェフの八木哲郎さんがパリで7年の経験を積んだ思い入れもあってのことだ。とはいえ、気取った店ではない。目指しているのは、妙蓮寺という下町の風情が色濃い街で、末永く愛される店になることだという。

 「クオリティーも安全性も高い素材を使いながら価格は極力抑え、パン本来の魅力を知ってもらうことが僕の務め。スーパーなどに比べれば当然価格は高くなりますが、それでもウチのパンがいいね、と通ってくださるお客さまが増えているのでやりがいがあります」。近頃は小麦やバター、ドライフルーツなど原材料が値上がりし価格を抑えるのは大変だが、パンがもっと日常的な食べものになることが八木さんの夢なのだ。

 中でも185円で販売している「特選メロンパン」はサービス価格の極み。発酵バター、青森県産「はぐくみ卵」、マダガスカル産バニラビーンズをたっぷり使ったぜいたくな味。フランスで感性を磨いた八木さんだが、日本人に愛される菓子パン作りにもベストを尽くし、お年寄りや小さな子どもも喜ぶここならではの工夫が感じられる。100%牛乳仕込みの「いちごミルク」や「抹茶・ホワイトチョコ」の優しい味わいにも感動する。


左端の2本はバゲット310円、その右隣の奥にあるのはクロワッサン185円と、ベルギー産のチョコを包んだパン・オ・ショコラ250円。手前の左は「いちごミルク」170円、右は特選メロンパン185円。一番奥は、北海道産小麦「きたのかおり」を使ったもっちりふんわりの山型食パン1斤310円
左端の2本はバゲット310円、その右隣の奥にあるのはクロワッサン185円と、ベルギー産のチョコを包んだパン・オ・ショコラ250円。手前の左は「いちごミルク」170円、右は特選メロンパン185円。一番奥は、北海道産小麦「きたのかおり」を使ったもっちりふんわりの山型食パン1斤310円

 しかし八木さんの真骨頂は、バゲットやカンパーニュなどのハード系とクロワッサンだ。粉の個性の見極めからブレンドの配分量、水分量、自家製天然酵母による発酵時間など、日々の気候も考慮しながら微調整して焼き上げる。色が濃く香ばしいバゲットは、皮の部分は薄くてパリッ、中はしっとりで、かむほどに粉の風味も豊かに広がる。ハード系ファンには、ライ麦や全粒粉など4種の粉をブレンドした「14区スペシャル」や石臼製粉で味わいを深めた「ムール」もお薦めだ(ともに1/4が210円)。発酵バター100%で繊細な口溶けのクロワッサンも赤字覚悟の185円。これを毎日買いに行ける妙蓮寺かいわいの人たちがうらやましい……。


シェフの妻・八木佐樹子さんが季節の食材で手作りした総菜パンも多数そろう
シェフの妻・八木佐樹子さんが季節の食材で手作りした総菜パンも多数そろう

 お店の素晴らしさは八木さんの腕前のみにあらず。妻の佐樹子さんをはじめ、スタッフの対応も気持ちがいい。季節の食材でオープンサンドなどを作る佐樹子さんは、実はフランスで料理人として活躍していたすご腕。「将来は併設のカフェで妻の料理を味わえるようにしたい」と話す八木さん。夢はまだまだ続きがありそうだ。

=藤田実子(ふじた・みこ)、フードジャーナリスト
掲載=2015年9月27日、神奈川新聞


Boulangerie 14区
Boulangerie 14区

Boulangerie 14区
横浜市港北区菊名1-4-2
電話045(642)6858
営10:00~20:00/木曜休み
東急東横線妙蓮寺駅から徒歩1分。カフェ併設(11席)
フェイスブックあり

 
 

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