茅ケ崎市ゆかりの宇宙飛行士・野口聡一さん(50)の初飛行10周年を記念した特別授業が9日、同市富士見町の平和学園で開かれた。約650人の親子連れらを前に野口さんは「ぜひ宇宙から地球を眺める体験をしてほしい。その素晴らしさに気づき、地球への共感が生まれるでしょう」と呼び掛けた。
市が主催、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が後援した。市では、野口さんが初めて宇宙へ行き帰還した8月9日を「ちがさき宇宙記念日」と定め、宇宙や天文の研究者らを招いた授業を毎年行ってきた。
野口さんは、世界の宇宙飛行士らでつくる宇宙探検家協会長に就任したことを説明。今後の宇宙開発のあるべき姿への議論など、同協会の活動の一端を伝えた。
また、宇宙探索の未来について、米国では次世代の宇宙船開発が民間主導で加速している現状を紹介。「宇宙に対するわくわく感をかき立てられる時代が、すぐそこまでやって来ている」と夢を語った。
この日の特別授業では、日本における「宇宙教育の父」とも言われる的川泰宣JAXA名誉教授も講演した。
野口さんは、茅ケ崎市内の小・中・高校を卒業。2005年7月、スペースシャトルに搭乗し、計3回に及ぶ船外活動を成功させた。09年にもロシアのソユーズ宇宙船に搭乗し、国際宇宙ステーションに161日間滞在した。