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毛髪寄付へ協力訴え
子どもの笑顔再び 川崎の美容師が医療用ウィッグ無償提供 

話題 | 神奈川新聞 | 2015年7月27日(月) 10:22

医療用ウィッグを手にする戸塚さん=川崎市宮前区の美容室アルコバレーノ
医療用ウィッグを手にする戸塚さん=川崎市宮前区の美容室アルコバレーノ

 病気や事故で髪の毛を失った子どもたちに、医療用ウィッグ(かつら)を無償提供するプロジェクトを、川崎市の美容師が始めた。オーダーメードで高額となる子ども用ウィッグの入手を後押しする全国でも珍しい取り組みで、関東では初めて。子どもたちが笑顔を取り戻し、将来に希望を持てるように-。活動への理解を広げるとともに、ウィッグの材料となる毛髪の寄付を募っている。


 プロジェクトを始めたのは、川崎市宮前区に美容室「アルコバレーノ」を開く戸塚貴博さん(43)。訪問理美容師の全国グループ「りびねっと」の代表も務め、がんや白血病、事故などで髪を失い、医療用ウィッグを求める子どもたちが多くいることを知った。

 ファッション用と異なり、頭部全体をカバーできるように内側が帽子状になっている医療用ウィッグ。大人向けは既製品があるが、成長とともに頭部の大きさや毛質が変化する子ども用は、採寸やカウンセリングを行って個別に作らなければならない。

 戸塚さんによると、大手メーカーのフルオーダー品は50万~60万円。汗をかいたり汚れたりしたときの洗い替えも必要なため、金銭的負担が重くのしかかるという。無償提供の取り組みは大阪でもあるが、完成を待つ子どもたちは50~60人に上っており、潜在的ニーズはさらに多いとみられる。

 戸塚さんは、つながりのあった一般社団法人「日本かつら協会」やメーカーに協力を呼び掛け、毛髪を提供する代わりに高品質なオーダーメード品を製作してもらう体制を整えた。費用は理美容師が練習用に購入するウィッグ代の一部などを充てる仕組み。半年ほど前からは、自身の美容室で趣旨に賛同する客からカットした髪を寄付してもらい、メーカーへの提供も進めている。

 ただ、毛髪寄付の認知度はまだ低く、採寸や納品に協力する理美容室が少ないのも今後の課題だ。2人分のウィッグを作るには50~80人分に当たる約10キロの毛髪が必要とされ、戸塚さんは「これまで切って捨てていた髪の毛が子どもたちのために生まれ変わる。髪を失って精神的なダメージを受けた子が自立する後押しをしたい」と協力を呼び掛ける。

 ウィッグ提供は学生が対象。りびねっとは28日、てくのかわさき(高津区溝口)で行われる「チャリティーカット」に参加し、毛髪の寄付も受け付ける。問い合わせは、アルコバレーノ電話044(948)9588。

 
 

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