梅雨が明け、カンカン照りが続く県内で、真夏の珍事が起きている。横浜市の「海の公園海水浴場」では水質が改善せず、いまだ海開きができず、ビーチは閑散。鎌倉市では23日の花火大会が高波の影響で中止となった。「こんなに晴れてるのになぜ」と不思議がる声も。
23日に予定されていた第67回鎌倉花火大会が、当日の天候にかかわらず中止されることが決まった。主催する鎌倉市観光協会などの実行委員会が22日、発表した。海岸沖合で花火を打ち上げる台船が、台風の影響による高波で相模湾へ入れなかった。実行委は経費節減のため、今回は予備日を設けていない。
「へえ。晴れでも中止ってあるんですね」。由比ガ浜海水浴場へ友人たちと来ていた東京都品川区の女性会社員(23)は不思議そうな表情だ。
海水浴場は暑い日差しが降り注ぐ真夏らしい天気。だが日本の南に位置する台風12号は西北西へ進んでおり、沖合では高波や強風が続いている。海上の台船が打ち上げを担う鎌倉花火大会は、こうした気象状況に大きく左右された。
市観光商工課によると、台船は21日午後11時ごろ東京湾を出港し、翌22日朝に江の島へ到着して花火玉などの積み込み作業を行う予定だった。しかし同日早朝に城ケ島(三浦市)沖を航行できず、東京湾へと引き返した。
同協会によると、同大会の中止は過去、台風で荒天となった2009年と、東日本大震災の発生で自粛した11年の2回だけという。
大会の予算は約3400万円で、うち約1千万円が市の負担金。企業などから集めた協賛金は来年の開催へ繰り越すことを検討している。今回使われなかった花火玉は処分される見通しという。