
獅子がササの葉で熱湯を振りまき、地域の安寧などを願う恒例の「湯立獅子舞」が15日、箱根町宮城野の諏訪神社で行われた。今年は立ち入り規制が続いている箱根山の大涌谷周辺で続く火山活動の沈静化を祈る祝詞を唱え、山の方角に向かって湯しぶきを上げた。
宮城野神楽保存会によると、「湯立獅子舞」は宮城野地区と仙石原地区で約240年前から続く伝統行事。今年は国選択無形文化財に指定されて40年、県無形文化財に指定されて60年の節目となる。祭事に参加した同保存会のメンバー12~13名の中には小中学生も含まれており、小柄な獅子が厳かに演舞を披露する姿に会場は拍手喝采となった。
通常の「平舞」「宮めぐりの舞」といった演目のほか、湯煙が立ち上る熱湯にササを浸して振りまく際は神山・大涌谷方面に向かって祈りをささげた。