
地域の高齢者が集える場所をつくろうと、川崎市高津区のNPO法人が近くサロンを開設する。「語って笑って、一人じゃないと実感できる場でありたい」-。超高齢社会の到来を見据え、お年寄りが孤立せず、不安や悩みも吐き出せる出会いや語り合いの場を目指している。
高齢者向けの「ふらっとサロン」を開くのは、同区内で知的障害者のグループホームを運営するNPO法人「コスモス」。同法人が2006年にオープンしたコミュニティーカフェ「ココデ」(同区久本)を会場として活用する。
カフェは地域のサークル活動などにも利用されているが、認知度が低いのが悩みだった。同法人の横山典子理事長(67)は「カフェを知ってもらい、高齢者らの地域交流の場としてもっと生かしたい」と区の市民提案型協働事業に応募、選定された。委託事業として区からサポートを受け、65歳以上を対象として2月まで毎月第3木曜に全8回開催する。
初回は16日。午前は体を動かすためのストレッチやゲーム、歌。昼食後、午後は「笑いの効用を学ぼう」と題した講座とおしゃべりタイムを設ける。8月以降も栄養や終活、介護保険など、高齢者の関心が高いテーマを選ぶという。
高津区の高齢化率は16・76%(2014年10月1日現在)で全市を下回っているものの、市の推計によると25年には20%を突破する見通し。健康づくりや介護予防に向けた取り組みとともに、孤立防止策が求められている。
横山理事長は「日常の悩みや将来の不安などを一人で抱え込まず、まず一歩外に出るきっかけにしてほしい」と話す。サロンは来年度以降も続けるつもりという。
サロン参加は無料。午前の部は10時、昼食は正午、午後の部は1時から。途中参加・退出も可能。申し込み・問い合わせはカフェココデ電話044(877)0131。2回目は8月20日開催(申し込みは7月16日から受け付け)。