戦国時代、相模原市緑区根小屋にあった山城「津久井城」について考えるイベントが28日、城跡にある県立津久井湖城山公園で開かれた。参加者は公園近くにある城主の墓がある功雲寺を訪れ、戦国ロマンに思いをはせていた。
伝承によると、津久井城は鎌倉時代に造られた。戦国時代、甲斐・武田氏に備える小田原・北条氏の支城として、内藤氏が城主を務めた。1590年、豊臣秀吉の小田原攻めで落城した。落城後は代官が住む陣屋となったが、1664年に廃止された。1995年から県や旧津久井町などにより、遺構は発掘調査され、土塁や石組みなどが見つかっている。
イベントは市民に城への理解を深めてもらおうと、公園の主催ではじまり、3回目。60人が参加し、発掘に携わった東海大学文学部の近藤英夫教授が城の機能や遺構について解説した。その後、戦国武士に扮(ふん)した「津久井甲冑(かっちゅう)隊」の先導で公園近くの功雲寺を訪れ、内藤一族や家臣の霊を弔った。
参加者で区内に住む男性(74)は「津久井で生まれ育ったが、城のことはほとんど知らなかった。津久井を守ろうとした先人のことを知ることができ、非常によかった」と話していた。