「足を伸ばして」「上体の力を抜いて」-。ラジオ体操の音楽に合わせて体を動かす人たちに実技指導するのは、相模原市在住で市ラジオ体操連盟会長の長野信一さん(68)。テレビ、ラジオで長年、体操指導者を務めてきた有名人が「いつでも、どこでも、誰でもできるのがラジオ体操。健康づくりに取り組む仲間を増やしたい」と、市内での普及や指導者の育成に尽力している。
同連盟は4月末、市内の各地域でラジオ体操の世話役やリーダーをしている人たちを役員に発足。その活動の一環として今月14日、南区の市立総合体育館で講習会が開かれた。長野さんが講師を務め、各地区から集まった約120人と一緒に汗を流した。28日にも中央区内で講習会を予定する。
「正しい体操を続けることで健康づくりに効果が期待できる。効果的な体操を身に付けるには、指導者の養成が大事」。長野さん自身は1981年から2010年まで29年間、ほぼ毎日テレビ、ラジオでラジオ体操を指導してきた。ラジオ体操に対する思いは人一倍強く、普及面でも地域での核となる指導者が欠かせないと考える。
ラジオ体操は時間にして約3分で終了するため身体的な負担が少なく、多くの年代の人が一緒に取り組むには向いているという。長野さんは「1人でするより長続きするし、仲間づくりになる。朝、顔を見せなければみんなが心配して地域ぐるみでの見守りにもなる。参加者同士でおしゃべりすれば認知症対策にもなる」と、さまざまな効果を挙げている。
ラジオ体操人口は全国で2800万人にもなるといわれる。市内のラジオ体操会は20~30人規模の会から、300人程度の大きい会まで約40団体ある。ただ、長野さんによると「会同士の横のつながりはない」という。連盟では、交流が図れるように、どこにどんな会があるかが一目で分かるマップづくりにも取り組む。