
横浜市は来年3月から、港の沿岸で水陸両用バスを走らせる社会実験を始める。市中心部の回遊性を高めるとともに、海と陸から港ヨコハマの名所を楽しめる新たな手法を導入することで観光のさらなる活性化を目指す。26日から運行事業者の募集を始めており、9月ごろに決定する。
社会実験は、横浜港の内港地区の海上と横浜駅近くからみなとみらい21(MM21)地区、元町・中華街エリアなどの臨海部を運行エリアとして想定。西区みなとみらいの日本丸メモリアルパークの護岸から海上に入る。実験期間は2020年3月までの4年間を予定している。
水陸両用バスの運行実績のある事業者と、市内中小企業のうち市内エリアで一般旅客自動車運送事業などの許可を受けている事業者の企業共同体(JV)から、具体的な運行ルートや便数を提案してもらう。
社会実験にあたって、市は日本丸メモリアルパーク内の老朽化した橋の補修で本年度予算に4千万円を計上。進水スロープは事業者に整備してもらう。
採算が見込めれば、社会実験終了後に本格運行する。市港湾局によると、水陸両用バスは都内では東京スカイツリー周辺で観光ツアーとして人気を集めている。大阪など国内でも複数の都市で走っているが、河川が主流。横浜港で本格運行されれば、海上では首都圏初となるという。