【登場人物】
森ちゃん:若手のカナロコ編集部員。野毛に興味があるが、一人で店に入る勇気がなかった20代女子。
立さん:ベテランのカナロコ編集部員。大学時代から横浜で暮らす九州男児。野毛歴はざっと30年。
04
鳥剛
野毛町1丁目
焼き鳥が好きという森ちゃん。午後11時を過ぎたが、立さんが野毛でお勧めの店として連れて行ったのは、ブリーズベイホテルの裏側の位置する焼き鳥店「鳥剛」。店内は、カウンターと小さなテーブルで10席ほどしかないが、開店する夕方から、閉店する深夜まで常連客でにぎわっている。2004年の開店初日から通い続けているという立さんは「店主の剛さんの人柄に加え、焼き物の種類が豊富で値段の安さが魅力」と明かす。
立さん:剛さん、焼きもの、まだある?
剛さん:ありますよ。「塩」で、いくつか見つくろいましょう。あと、いつもの(焼酎の)ボトルです。
立さん:……(森ちゃんのグラスに焼酎を注ぐ)
森ちゃん:生搾りグレープフルーツと生ビールのオリジナルカクテル「グレビ」を飲む。
森ちゃん:さっぱりしていて、初めての味です。
立さん:ああ、鳥が次々焼けたよ。
森ちゃん:お酒に合いますね。この味、好きです。
野毛にある飲食店で最も多く扱っている料理は、もしかしたら焼き鳥かもしれない。王道の塩か、個性を感じさせるたれか、あるいは、秘伝のみそでいただくか。焼き鳥店の多くは夕方には店を開けている。しかしその分、店を早く閉める店が多い。鳥剛は深夜まで店を開けている数少ない焼き鳥店だ。確かな味と値段の安さという魅力が加わることで、深夜でもにぎわうのはうなずける。横浜市中区野毛町1丁目33。営業時間:午後7時から午前2時ごろ(売り切れで終了)。水曜定休。電話番号:045ー242-2652。