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「キエーロ」広がる輪 産学官で普及促進へ

話題 | 神奈川新聞 | 2015年5月7日(木) 03:00

神奈川新聞横須賀支社でも2月から、廃材で自作して残土を入れたキエーロで、生ごみを処理している=横須賀市小川町
神奈川新聞横須賀支社でも2月から、廃材で自作して残土を入れたキエーロで、生ごみを処理している=横須賀市小川町

 自然の力だけで生ごみを分解できる処理器「キエーロ」の普及に向けた動きが、産学官に広がってきた。全国各地の自治体が導入を促す制度を打ち出す中、関東学院大(横浜市金沢区)が昨秋から活用に向けて着手。先月には、かながわ信用金庫(横須賀市)が企業として初めて具体的な取り組みを始めた。廃材でも自作できて残土も使え、生ごみ以外の廃棄物削減にもつなげられるキエーロ。4日はみどりの日-。持続可能な社会を、ともに考えよう。

 キエーロは、葉山町の元パイロット、松本信夫さんと恵里子さんの夫妻が十数年かけて考案。6年ほど前から逗子市、葉山町、鎌倉市が相次いで補助対象とし、今では県内をはじめ、都内、東北、北関東、近畿の自治体が購入費の助成制度を設けている。

 行政レベルの取り組みが拡大する中、他の分野に広がったのが昨年11月。鎌倉、逗子、葉山の3首長を招いたシンポジウムで、関東学院大が3市町と連携し、ごみ問題の解決に取り組んでいく姿勢を強調。2月には学生がキエーロを10台製作し、学生寮、運動部寮、学生食堂に設置した。

 さらに4月には、かながわ信金が本部用に1台を導入。営業店への設置に向けた検討を行うとともに職員宅への導入を勧め、職員らのボランティアサークルでも普及に向けて尽力する方針を打ち出した。

 太陽と風と土の力だけで効率的に生ごみを分解できるキエーロのもう一つの特長は、松本さんがホームページ(HP)で作り方を公開(http://www.kiero.jp/make.html)していることだ。

 千円で入手できる補助制度を設ける葉山町などのように自作より安い価格で購入できる自治体もあるが、日曜大工で手軽にできるシンプルな構造で、リフォームで出た廃材や壊れた家具の部材などでも自作できる。購入をためらう人への道も開いている。

 藤沢市の元教師(57)は昨年夏、知人が廃材で作ったキエーロを自宅で使い始めた。「コンポストはふたを開けると虫が出てきて臭いもし、生ごみを捨てるのが憂鬱(ゆううつ)だったが、キエーロは全くそうしたことがなく、とてもいい。同居する母(81)が楽しく生ごみを処理して喜んでいる」と話す。

 現在補助対象にしていない自治体や教育関係の団体でも、キエーロの普及・活用策を具体的に検討しているところが複数ある。葉山町発祥の救世主が、日本や世界のごみ問題を解決する日が、遠からずやって来るかもしれない。

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