鎌倉の自然を舞台に、世界的な音楽家たちが演奏を披露する「レゾナンス 鎌倉の響きコンサートシリーズ」が26日、鎌倉市大町の妙本寺で開かれた。オーボエ、ハープ、笙(しょう)の三つの音色が、新緑茂る古刹(こさつ)にこだました。
出演したのは、ドイツ・ベルリンのマーラー室内管弦楽団で首席オーボエ奏者を務める吉井瑞穂さんと、ハープの吉野直子さん、笙の東野珠実さん。ときに荘厳に、ときにたおやかに表現される旋律は、鳥のさえずりや木の葉の舞う音とともに、寺の本堂を抜ける風に乗って辺りへ響き渡った。
「東京や横浜ではなく、地元・鎌倉で音楽を」-。鎌倉出身の吉井さんや音楽仲間たちが、1年余をかけて準備してきた初めてのコンサート。23日からホールやカフェでトランペットやギターとともに演奏。最終日の26日も雅楽古典曲やバッハ、ドビュッシーと多彩な楽曲を披露し、鑑賞者たちから喝采を浴びた。
同市大船から来た公務員の女性(51)は「身近なところでのコンサートはうれしい。お寺は響きも良くて、不思議な和の雰囲気を感じられた」と笑顔を見せた。