
「こどもの国」(横浜市青葉区、東京都町田市)で約半世紀前に子どもたちが運転していた自動車「ダットサン・ベビィ」が復活した。開園50周年を記念し、日産自動車社員有志らが再生した“名車”が、日産グローバル本社ギャラリー(横浜市西区)で一般公開されている。30日まで。無料。
同社は1960年代半ば、ベビィ100台を寄贈。死亡事故が多発する中、「子どもたちに本物の交通教育を提供したい」という思いが込められていた。全長2.96メートル、幅1.42メートルと小ぶりだが、当時の最新技術を採用し、交通法規にも適合した“本物”の車で、専用の「免許証」を取得すれば子どもが1人で運転できる人気アトラクションだった。
同園は今年の開園50周年に合わせ、倉庫に保管されていた最後の1台の復元を日産に相談。社員有志らでつくる「名車再生クラブ」が図面など貴重な資料を基に再生に挑戦し、一部部品を特注するなど細部にもこだわって、往時の姿を復元した。
3月28日には同ギャラリーで再生完了式典を開催。クラブのなかには、子どものころに運転を体験した人もいるといい、「調べるなかで当時の技術者のこだわりを目の当たりにした。先輩たちの技術を再現できてうれしい」といった声が聞かれた。来場者が運転席に乗車体験するイベントも行われた。