神奈川新聞社が主催する「第6回ジュニア短歌・俳句・川柳大賞」と「第45回神奈川歌壇・俳壇・柳壇年間賞」の授賞式が14日、横浜市中区の横浜情報文化センター内の情文ホールで開催され、両賞合わせて約250人が参加した。風物や時事を表現する文芸を通じて、子どもの新鮮な感性とベテランの経験の厚みが、それぞれ輝きを放った。
「ジュニア」は県内の小中学生が応募した9623点のうち短歌、俳句、川柳の各部門から一席、二席、佳作の78作品が選ばれた。
川柳の選者、金子美知子さんは「気持ちを素直に詠んで心をふるわせた作品を選んだ」と選考過程を説明。俳句の選者、諸角せつ子さんは「これからも現実をじっくり見て、俳句の良さを感じてほしい」と創作の継続を呼び掛けた。
年間賞は、日曜掲載の歌壇・俳壇・柳壇欄で、昨年1年間の「特選」と新春詠草の上位3作品から選ばれた。各壇の一席、二席の計9人に賞状や賞金、選者直筆の色紙が贈られた。短歌の選者、今野寿美さんは同欄を「コンパクトにまとまった文芸サロン」と表現。「社会への反応を敏感に歌にできている」と投稿者たちの感性をたたえた。
続いて行われた「投稿者のつどい」では、選者と参加者が自由に議論。会場からは「作品から投稿者の人生が見えてくる」「欠かさず投句し、紙面を楽しみにしている」といった感想が聞かれた。歌壇選者の武田弘之さんは「読者の間に投稿の機運が自然と出てくるような状況がある」などと話し、県内の創作者の「厚み」に期待していた。
【神奈川新聞】