プロ野球の横浜DeNAベイスターズが、公園で子どもたちにキャッチボールを楽しんでもらうプロジェクトをスタートした。キャッチボールを通じて野球への関心を高めるのが目的で、無料貸し出し用のボールやグラブを公園側に提供する。年内に県内の公園10カ所に広げる計画だ。
既に3月から横浜市公園指定管理者連絡会と横浜市緑の協会と共同して、本牧市民公園(横浜市中区本牧三之谷)でプロジェクトを開始。柔らかいキャッチボール専用球「ゆうボール」24個と、グラブ16個を寄付した。グラブは子ども用、大人用、右利き用、左利き用とそろっている。
同公園管理センターで利用登録した小学生以下の子どもと、その保護者が対象。原則1回につき1時間貸し出し、草地広場の一部でキャッチボールが楽しめる。
都市化などに伴い、機会が減ったキャッチボール。緑の協会によると、ある程度の広さがある横浜市内の公園では、柔らかいボールを使えばキャッチボールが可能だが、他の公園利用者に迷惑をかけないよう集団でやらず、譲り合わなければならないという。
日本中学校体育連盟によると、2013年の競技別生徒数(男子)は野球が約24万3千人に対し、サッカーは約25万3千人。10年前の03年比で野球は約6万9千人減り、サッカーは約4万3千人増えている。
球団はキャッチボールをしにくい環境も野球人口の減少につながっているとみて、ベイスターズを含めた首都圏に本拠地を置くプロ野球5球団で今年からプロジェクトを進めている。2月28日にはプレイベントとして、同公園でベイスターズ選手OBによるキャッチボール指導と体験が行われ、20組40人が参加した。
球団の担当者は「昔は原体験としてキャッチボールは普通のことだった。プロジェクトが野球に親しむきっかけになれば」と話している。
【神奈川新聞】