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「北斗星」のフルコース 大船軒社員が振り返る

話題 | 神奈川新聞 | 2015年3月9日(月) 18:33

メニューやレシピを広げながら考案当時を振り返った(左から)佐藤さん、黒田さん、西野さん=鎌倉市の大船軒
メニューやレシピを広げながら考案当時を振り返った(左から)佐藤さん、黒田さん、西野さん=鎌倉市の大船軒

「傑作」提供の日々

 四半世紀にわたり上野-札幌間を結んだ寝台特急「北斗星」の定期運行が、13日夜を最後に終了する。夜汽車の旅を彩ったのが、食堂車で提供されるフランス料理のフルコース。実は鎌倉市岡本の駅弁業者、大船軒の幹部社員らが、前職時代に試行錯誤しながら考案したものだった。



 「調理のプロとはいえコース料理の提供の経験はほとんどなかった」。1988年の開業当時、日本食堂(日食、現NRE)に在籍し、現在は同社グループの大船軒で社長を務める黒田裕さん(63)は振り返る。

 北海道に渡る初めての寝台列車にフルコースを-。豪華食堂車の構想は前年から練られていた。担当は、日食の仙台営業所。82年の東北新幹線開業前、在来線特急「ひばり」で腕を振るったコックが何人も残っていた。同営業所にいた西野佳治さん(62)=エヌアールイーサービス資産管理部長=は「ホテルで接客を研修し、北斗星のクルーを選抜した」と養成過程を明かす。

 流れる夜景を見ながらの食事は、予想以上に好評だった。コースは当初、一晩に3回転していたが、調理や準備が追いつかず「お客さまをお待たせしてしまった」(黒田さん)ことも。

 メニューは何度か変わった。90年代後半、軽さや繊細さをテーマに内容を再構築したのが、大船軒製造部長の佐藤憲雄さん(65)だった。当時、新宿のフランス料理店の総料理長を務めていて抜てきされた。

 「美食家風サラダ」「北海道形パイ」…。当時の佐藤さんのノートには、食材や分量を緻密に記したフランス語交じりのレシピや、色鉛筆で描いた盛り付けのスケッチが残っている。

 列車ならではの苦心もあった。食堂車の調理場は狭く、よく揺れる。そこで、食材を発車前に別の場所で切りそろえ、真空パックにするなど、調理時間を節約。「地上のレストランと勝手が違い、勉強させられた」と佐藤さんは話す。

 黒田さんは胸を張る。「お客さまから料理の内容についておしかりを受けたことはない。あのメニューは傑作だったと思う」

北斗星

 青函トンネル開業に合わせて1988年3月に運行開始。最盛期は1日3往復が運行されたが、来年開業の北海道新幹線の工事や、車両の老朽化などを理由に廃止が決まった。今年8月までは臨時列車として隔日運行される。食堂車のフルコースは予約制で8500円。

【神奈川新聞】


旅心を誘った「北斗星」の食堂車。写真は単品のビーフシチュー
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