日本の近代児童文学に大きな影響を与えた雑誌「赤い鳥」の終刊から80年の節目に原本などを公開する企画展が、鎌倉市雪ノ下の銀の鈴ギャラリーで開かれている。25日まで。
主宰者で作家の鈴木三重吉は1918年の創刊号で「子供の純性を保全開発するために、現代第一流の芸術家の真摯(しんし)なる努を集め(中略)創作家の出現を迎ふる一大区画的運動の先駆である」と宣言。鈴木が没する36年まで196冊が刊行された。芥川龍之介や有島武郎が「杜子春」や「一房の葡萄(ぶどう)」を寄稿したほか、新美南吉ら若手作家を数多く輩出。童話や童謡という新しいジャンルの創始に大きく寄与した。
企画展はギャラリーを運営する銀の鈴社(西野真由美社長)創業30年に合わせ、和洋女子大の仁平道明教授が所蔵する当時刊行された原本38点などが並ぶ。表紙の童画も色鮮やかで、西野社長は「『子どもたちにいい作品を』という文士や画家の熱い思いが、原本だからこそ感じられる」と来場を呼び掛ける。
入場無料。水曜定休。問い合わせは同ギャラリー電話0467(61)1930。