日増しに寒さが厳しくなる中、相模原市緑区根小屋の山あいにある酒蔵「久保田酒造」で日本酒の仕込みが最盛期を迎えている。蔵人は「手作りのおいしい酒を味わってほしい」と手間を惜しまず、早朝から忙しそうに作業を続けている。
久保田酒造によると、1844年創業。裏山の丹沢山系の湧水を使った日本酒「相模灘」を一升瓶で年間約3万6千本出荷している。日本酒ブームや圏央道の開通で、関東近県から直接買いに訪れる人もいる。
9日は午前6時ごろから作業を開始。純米吟醸や純米酒用に「美山錦」という品種の米約250キロを蒸し上げ、蔵人が棚に敷き詰めて冷ましていた。その後、室温を30度前後に保った部屋に移し、社長の久保田晃さん(38)らが、こうじ菌をなじませるため、米を丹念にもみほぐした。
久保田さんは「温度管理に最も気を使う。年が明けると純米大吟醸などの難しい仕込みが入り、さらに忙しい毎日になる」と話している。