
障害のある子どもに対する支援や相談事業を行う逗子市の療育教育総合センター(同市桜山)が、12日にオープンする。市内に療育の専門施設がなく、7年前から議論が交わされてきた。十分なスペースと機能を確保して対象年齢を広げ、0歳から18歳までの「切れ目ない支援」を目指す。
同センターは青少年会館だった建物を改修して完成。8日に記念式典が行われ、平井竜一市長は「福祉と教育が同じ建物の中で連携し、18歳まで一貫してサポートする。子どもが安心して育っていける環境を充実させるスタートだ」と喜びを語った。
1~2階は「こども発達支援センター」(愛称ひなた)。療育事業として発達に心配のある子どもとその保護者に対し、保育士や心理士、言語聴覚士などの専門スタッフが年齢に応じて相談や訓練、指導を行う。複数の相談室やプレイルームを備える。
3階はこれまでと同様に「教育研究所」で、教育相談や不登校の子どもに対する適応指導教室、教育活動に関する調査・研究を行う。
逗子市はこれまで、未就学児を対象に療育事業を福祉会館の一角で実施してきた。ただ、発達障害などへの意識の高まりもあって利用希望者が増え、十分なスペースや機能の確保が求められていた。
7年前から検討が始まり、JR逗子駅前の民間ビルに入居する案もあったが頓挫。2014年4月にオープンした体験学習施設「スマイル」に青少年会館の機能が移ったのを機に市は、会館の建物を改修して総合センターとして活用する方針を決めていた。