
アブナイ本を手に入れてしまった。いや、もちろん褒め言葉である。題名は「中国鉄道時刻表」。この8月に創刊された
説明が長くなるが、路線図や索引があり見たい路線のページがすぐに引き出せる、なんていう親切な時刻表は、日本ぐらいのものらしい。少なくとも中国で売っている時刻表はそうでない。
同じ方面へ行く列車でも、始発駅や経由地が違うだけで別々のページに載っている。たとえ中国全土の路線網を暗記しても容易には使えないだろう。そういう不親切な時刻表をじっくり眺めるのもそれなりに楽しいのだが…。
不満を抱えていた人はほかにもいた。冒頭の本こそ、日本式の体裁に直した画期的な時刻表なのだ。編集したのは都内に住む中国人ら有志。べつに中国国鉄や観光局から頼まれたわけではない。彼らは鉄道ファンで、便利に「乗り鉄」できるよう自主製作した、という。その情熱、素晴らしい。
読むほどに見入ってしまう。1日1往復きりのローカル線、加格達奇(ジャガダチ)や海拉爾(ハイラル)のような、北部の当て字の地名。長距離鈍行も多い。斉斉哈爾(チチハル)を午前11時17分に出る列車は丸一日かけて翌朝9時過ぎ、923キロ先の古蓮に着く。
おかげで最近、夜更かしの度が過ぎている。(さ)