
野生動物による農業被害を軽減しようと、大井町相和地区の農家ら13人で結成された「町有害鳥獣捕獲隊」が成果を挙げている。地元の猟友会からアドバイスを受けてわなを仕掛け、4月からの約4カ月間でイノシシ12頭を捕獲。メンバーの深沢功さん(65)は「こつが分かってきた。まだまだ被害は減らないので、地道に取り組んでいきたい」と意気込んでいる。
昨年1年間の、イノシシやシカなど野生動物による農作物の被害額は県全体で約1億4千万円に上り、そのうち県西部が4分の1を占める。猟友会などが捕獲に取り組んでいる中、町では農家らにも協力してもらおうと、費用を全額負担してわな猟の免許取得を支援、捕獲を目的とした組織づくりを行った。
捕獲隊は昨年10月に結成。昨年度は実績を挙げることはできなかったが、本年度は5月にイノシシ1頭、7月に同じく4頭、8月は箱わなにウリ坊6頭が一度にかかるなど、これまで計7頭を捕獲した。
数カ月に1度、猟友会から指導を受け、複数の獣道が交わる箇所にわなを仕掛けるなど、工夫を凝らしている。
町は「予想以上に成果が上がっている。秋はイノシシの好物のサツマイモやクリが実る時季なので、気を抜かずにやってくれるはず」と期待。深沢さんは「正直、イノシシが子どもを産むペースに捕獲が追い付かない。でも、わなを意識させることで畑に近づけさせないという効果もあると思うので、めげずに頑張りたい」と話していた。
【神奈川新聞】