
東京急行電鉄とグループ会社の伊豆急行は17日、JR東日本と協力し、来年7月に横浜-伊豆急下田を結ぶ観光列車「THE ROYAL EXPRESS(ロイヤルエクスプレス)」の運行を開始すると発表した。バブル期以降、停滞する伊豆観光の活性化を図り、東急グループ全体への好影響の波及を狙う。
同日、都内で記者会見した東急電鉄の野本弘文社長は「目的地に向かう手段だけでなく、ロイヤルエクスプレスへの乗車そのものに憧れを抱いてもらえる旅を提案したい」と説明。「観光列車で利益を追求するというよりは、伊豆を元気にすることで当社全体に好影響が跳ね返ってくる」と投資の意義を語った。
国内の観光列車としては最大級という定員約100人(8両編成)で、料金設定は車内での飲食を含め2万~3万円を見込む。週2日の運行を基本に、検討を進めるという。
外観はロイヤルブルーを基調とする。客車や食堂車のほか、結婚式や展示会などにも利用できるマルチスペース車を配するなど「観光列車の概念を覆す車両設計を行う」(東急電鉄)としている。
車体デザインを担当し、JR九州の豪華寝台列車「ななつ星in九州」などを手掛けたデザイナーの水戸岡鋭治さんは、「街が走っているような、感動と楽しさを持つ車両にしたい」と意気込みを語った。
運行に合わせ、横浜駅に専用ラウンジを開設するほか、下田東急ホテルのリニューアル、下田ロープウェイ寝姿山山頂駅の改修も実施する。